みっきー申す

ITに関する興味関心のまとめ、サイバーセキュリティニュースのまとめ、Twitterで配信中の情報まとめなどを公開します。

今週のIT・サイバーニュースまとめ(20190714-20190720)

今週の総括

  • Office365の偽サイト経由でTrickbotに感染させる攻撃の観測

  • Telegramの偽アプリ(マルウェア)の観測

  • 2019年はじめ、Turlaの攻撃


今週の記事まとめです。

早速ですが、皆さん、選挙には行きましたか?

僕は期日前投票でちょうど昨日行ってきたのですが、投票用紙に名前を書くときの鉛筆の質感がなんともいいですよね(笑)

それはそうと、いつになったらオンライン投票できるようになるのでしょうか。

いくらでもやり方はある気がしますが、まぁ「セキュリティが…」みたいな感じでごねてるんでしょうね。

若者の投票率をあげるのもそうですが、投票所に肩を支えられながら投票に向かうお年寄りの姿を見ていると、なんだか可愛そうな気がします。

「テクノロジーで社会を豊かにする」こんなことをよく耳にしますが、なんとも。

とりあえず、始めることが大事だと、個人的には思います。

そんな中、総務省から実証実験のニュースがリリースされていきました。

www.sankei.com

遅いようにも感じますが、まずは一歩目。

早め早めの施行を期待したいですね。

冒頭から暑苦しくてすみませんが、今週のまとめです(笑)

今回は特段、日本特有であったり、ユーザの影響範囲が広いような記事はなかったためボリュームは少な目です。


感想

Office365の偽サイト経由でTrickbotに感染させる攻撃の観測

https://www.bleepstatic.com/images/news/security/t/trickbot/fake-office-365-browser-update/fake-office-365-page.jpg

Office365の偽サイトのリンクをクリックするとChromeFirefoxのアップデートを誘導され、アップデートリンクにアクセスすると、upd365_58v01.exeがダウンロードされます。

これがマルウェアTrickbotです。

www.bleepingcomputer.com

Trickbotは金銭の窃取を目的として使われることで知られており、これまでも膨大な数のメールアカウントが乗っ取られているとされています。

forbesjapan.com

マルウェアの拡散方法として、Wannacry騒ぎで有名になったSMBを悪用しているケースも確認されています。

ただし、Wannacryの時に使われたエクスプロイトキットEternalBlueを用いたものではないとPaloAltoの記事では述べられています。

www.paloaltonetworks.jp

日本国内においても、Invoiceなどのメールタイトルでマルウェア付きメールが送信されていることが確認されています。

以下のLAC社のレポートやセキュリティリサーチャーのブログやTwitterで多数報告されているので、ご確認いただくとよいと思います。

www.lac.co.jp


Telegramの非公式アプリ(マルウェア)の観測

MobonoGramという名のTelegramの非公式アプリから、バックグラウンドで悪性サイトにアクセスしていることが確認されました。

www.symantec.com

なぜ非公式アプリを?と思うところかと思います。

実はTelegramの利用が禁止されているロシアやイランなどの地域では、今回の件のように非公式アプリが存在することがあります。

今回の件は、非公式アプリに存在するセキュリティ上のリスクを改めて認識せざるを得ない、よい例だったと感じています。


トランプ大統領や金委員長を揶揄するTurlaの攻撃

国際的なサイバースパイグループTurlaによる2019年の攻撃観測記事が公開されました。

securelist.com

Turlaは別名Venomous Bear と言われているくらいなので、ロシアの攻撃グループだと思われています。

ただし、あくまで攻撃グループがロシア語を使っているというだけなので、断言はできません。

現に、本記事も、ロシア発のセキュリティベンダーKasperskyから出ています。

少なくともAPT28、通称Sofacyのような、ロシア政府の支援を受けているとされている攻撃グループとは一線を画すものだと個人的には推測しています。

https://www.fireeye.jp/current-threats/apt-groups/rpt-apt28.html

筆者の知る限りでは、これまでにTurlaによる日本への攻撃は観測されていない認識です。

今回の観測では、通信の暗号鍵にTrumpTowerという言葉を使用したり、 RocketMan!という言葉をC2サーバの疎通確認用に使っていることが確認されています。

これは明らかにトランプ大統領や金委員長をおちょくったメッセージだと思われます。

当該攻撃キャンペーンは2019年の始めに観測されたとのことなので、この時期だと初の会談を行った2018年6月からは離れています。

個人的には、攻撃者の遊び心やテスト程度にみていますが、こういった断片情報も標的型攻撃では重要になってくるので、今後も要注意ですね。


ここからは、一週間のまとめなので、ざっと流し読みしていただければと。 量が多くて僕自身もしんどいので、タイトルの流し読み→気になるところは、あとで見ることをおすすめします。

マルウェア・攻撃キャンペーン


脆弱性・アップデート関連


インシデント関連


ビジネス・政治・レポート


最後に

今週は、京都アニメーションの放火事件がとても衝撃的でした。

業界は違いますが、何人もの優秀なクリエイターの命が一瞬にして奪われてしまったことに対して、とても心が痛みます。

同社の作品を見たことはないのですが、自分自身、芸術にはとても憧れがあり、映像や音楽などを通して世界中の人々を感動させている方々を尊敬しています。

そんな稀有な才能を持った方々への敬意を示しつつ、心からご冥福をお祈りします。