みっきー申す

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<続編>テレワークへの影響調査を眺めていろいろ考えてみた

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今回の記事もサイバーセキュリティはほとんど関係ないので悪しからず。

今回の記事も前回の続きになります。

micro-keyword.hatenablog.com

※本記事は、パーソル総合研究所「新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」を参考に執筆しています。

rc.persol-group.co.jp

https://rc.persol-group.co.jp/research/activity/files/telework.pdf


目次


3蜜回避のための取り組みについて

4月7日緊急事態宣言後、緊急事態宣言地域の7都府県(東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡)の出社率は4月3日時点の73.1%から4月10日時点で58.5%まで減少しました。

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緊急事態宣言が出てもなお、58.5%の人は出社していたということで、政府が要請していた7割減には遠く及ばない状況だったわけですね。

ただ、どの職業においてもテレワークができるわけではないのは間違いないと思うので、この7割減の目標に対するこの数字が良いものかどうかという判断は非常に難しいと思います。

職業ごとの特性を踏まえると、特にテレワークの案内をしない企業があっても無理はないですよね。

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従業員側もテレワーク非実施者の半数近くがテレワークを希望している状況からも、その辺の苦悩があるのかなと思います。

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少し難しいのが時差出勤のグラフです。

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一見、50%以上も通常通りの出勤なの?と思うかもしれませんが、母数を見ると、テレワーク方針の時と変わりません。

そうなると、「時差出勤の案内なし」にテレワークをしている人も含まれてしまう可能性があり。判断が難しいです。

「テレワークをしている人が通常通り、勤務している」となるとは、時差出勤も何も。。。

対面会議の方針についても、「実施するかしないか」で極端な回答であり、「会議を絞っている」「会議人数を制限している」の選択肢がないため、このグラフだけで判断するのは難しいです。

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企業ごとの差異

企業規模別の調査結果を見ると、やはり大企業ほどテレワーク実施が進んでいるといった見方ができそうです。

この辺りは、なんとなく腑に落ちますね。

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業界別に見るとIT系や研究機関系のテレワーク実施率が高く、医療や運輸業は低いことがわかりますね。

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とはいえど、情報通信業で半分程度って。。。

会社から推奨されているのが73.5%だけど、実施となるとこれだけ差が出てしまうのは、運用の闇がちらり。

会社の方針=現場での実現性も一つの課題ですよね。

あと、気になる点として、宿泊、飲食、娯楽は業務がない割合が大きいですね。 つまり、実質の失業になっているわけで、改めて現状を思い知った気がします。

業種別は見ての通りですが、一応載せておきます。

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テレワークを実施しない理由

まずはこの図を見てください。

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先述の通り、1位の「テレワークで行える業務ではない」は企業ごとの事情があると思うので、仕方ない気がします。

ただ、2位、3位、5位の「テレワーク制度が整備されていない」、「テレワークのためのICT環境が整備されていない」、「テレワークを行う場所がない」は、裏を返せば環境さえ整えば実施ができるということなのでしょうか。

その他も、「影響がある」とは言いつつも、「できない」ということではなさそうです。

こうしてみてみると、今回の件を機に、企業側が環境を整えれば、「テレワークができる」ということになるのかと思います。

つまり、過半数の人がテレワークを実施する日もすぐそこまで近づいてきているのかもしれません。


テレワークの課題とは

では、仮にテレワークの実施が普及してきた場合に、何が課題になるのか。

「テレワークの困りごと」の調査結果からは、機器やネットなどの環境以外に、「運動不足など身体への影響」、「テレワークでできない仕事」、「効率の低下」、「コミュニケーション障害」が課題感として感じられています。

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一つ一つ、細かく考えていきましょう。

なお、「テレワークでできない仕事」については、個々の事情を把握しきれていないことも踏まえ、割愛いたします。

運動不足について

当該アンケートからは運動不足について、深く触れられていませんが、個人的にはとても重大なものだと思っています。

というのも、その他の理由として挙げられていた、効率の低下はもちろん、メンタル面でも影響を与えうることを考えると、結果的に生産性を落とすことになりかねないからです。

近々は、テレワークに慣れることが急務ではあるものの、今後は、企業として社員の健康維持に努めることも重要な要素になるかもしれません。

効率の低下と子育てについて

効率の低下には、先ほど記載したような、運動不足などからくる身体への影響によるものもありますが、そもそも、子どもがいる親への負担が増えるといったことも、深く関連がありそうです。

今回の調査でも、子どもを持つ親の約半分が働きながら子育てをしており、女性に少し偏っている様子もうかがえます。

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子育てに関しては、家庭内の問題として、語られることも多いかもしれません。

ただ、子育て自体は、多くの人が経験するものであり、むしろ今後より一層子育てと仕事の両立が求められるようになってくることを想定すると、もはや大きな社会課題です。

今回の場合は、学校や保育園に子どもを預けられないということが、より困難にしている感じですが、仕事と子育てを切り離すという考え方自体を変えて、仕事のスタイルを変える必要があるのかなとも感じています。

コミュニケーションと業務効率

コミュニケーション関連の業務に関する業務効率についての統計が出ていますが、「変わらずできている」と「非効率になっている」が半々くらいです。(下の図はコミュニケーション関連以外の業務です。)

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これには慣れもあるかと思いますし、確かにZoom飲み会一つとっても、対面の有利性を感じる場面は多い気がします。

少々強引ですが、コミュニケーションについては対面に勝るものはないということで結論付けさせていただきます!

、、、ですが。

「効率」という観点で考えると、コミュニケーションにおける非効率が、通勤時間や身支度などその他もろもろの要素を上回るものなのかどうかを検討することが必要な気がします。

その結果として、業務全体としての効率が測れるのかなと。

長くなってしまいましたが、コミュニケーションに関しては、1 or 0で決めず、多少面倒でも、適材適所な判断をするのが懸命なのかもしれません。


まとめ

ということで、前回の記事も含め、2部制で記事を書いてみました。

パーソル研究所の最後にもありましたが、全体として、コロナ収束後にもテレワークを続けたい人は過半数に上っていました。

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テレワークのみ、となると話は別ですが、やはり、テレワークという働き方が特異なものでなくなっていくことは、間違いないと思います。

近い将来、「テレワークがダメな時代があったこと」に違和感を覚える若者も増えるんでしょうね。

ジェネレーションギャップ。。。