テレワークへの影響調査を深読みしてみた
今回の記事はサイバーセキュリティにほとんど関係ないです!あしからず。
少し前の記事にはなってしまうのですが、2020年4月17日にパーソル研究所が公開したテレワークに関する調査結果がとても興味深かったので、個人的にまとめてみました。
セキュリティ関係ないので記事にするかどうかは悩んだのですが、せっかくなので公開しようと思った次第です。
そして、書いていくうちに、ボリュームが大きくなってしまったので、今回は、昨今米国の事件で話題になっている格差とも絡めつつまとめていきます。
※本記事は、パーソル総合研究所「新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」を参考に執筆しています。
https://rc.persol-group.co.jp/research/activity/files/telework.pdf
目次
緊急事態宣言後で正社員の4人に1人がテレワーク
緊急事態宣言後の4月10~12日時点で、テレワークを実施している正社員は27.9%になっていました。
緊急事態宣言前の3月上旬には13.2%だったわけですから、たった1か月で2倍にまで上がったことがわかります。
さらに、テレワーク自体、会社で初めて実施したという正社員が全体の7割近くを占めていることがわかります。
7割って衝撃ですよね。コロナはこれほど多くの人を動かしたのかと。
7割が動くということは、例えば選挙で考えると、現在の投票率53.68%(総務省調べ)が86.10%になるわけですよ!
下手したら結果変わりそう(笑)
さて少し話がそれましたが、個人的に気になるのは、上図があくまで正社員に限ったものであり、非正規雇用者では17%にまで落ちる点です。
総務省統計局が公開しているデータでは、国内の雇用者数5,660万人のうち正社員は3,494万人に対し、非正規社員は2,165万人 ですから、全体でみると、全国民の23%がテレワークを実施しているということになり、4人に1人に満たないことがわかります。
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/nen/dt/pdf/index1.pdf
今回の実施率の算出の大半は正社員を対象としており、非正規雇用者に関しては、そもそも調査のサンプル数が約10分の1である点が注目すべき点で、非正規社員の実態を把握するには、全労働者に含まれる正社員と非正規社員のバランスを考えても、もう少しサンプル数が必要な気がします。
グラフを見ると、業務自体なしの割合は、正社員で0.8%から1.7%へ、1%弱の増加にとどまっている一方、非正規雇用者では1.7%から5.5%へ3.8%の増加になっています。
このことからも非正規雇用者はテレワーク・出社ということではなく、そもそも働けない状況になっていることがわかるわけですし。
様々な形で取り上げられる貧困問題
昨今大きな話題となっている、アメリカの抗議デモについても、きっかけとなった黒人の被害男性は事件当時、新型コロナウィルスの影響により職を失っていたとのことなので、偽札を使ってしまったことも少なからず関係があると思っています。
ここからは少し映画の紹介なんですが、社会格差という意味で昨今話題になったのが、今年アカデミー賞を受賞した「パラサイト」です。
"半地下住宅”で暮らすキム一家と、“高台の豪邸”で暮らすパク一家のかかわりから始まる物語を通して見え隠れする貧困というテーマが刺さる衝撃の話題作って感じです。
Amazon Primeでも6月19日より先行公開が予定されているので、「映画館で見損ねた!」または「もう一度見たい!」という方はご覧いただくとよいかと思います。
ちなみに、つい先日Blu-rayとDVDが発売された新海誠監督の作品「天気の子」も若者の貧困問題を取り上げており、考えさせられます。
離島から家出し、東京にやってきたものの生活がすぐに困窮し、オカルト雑誌のライター業を見つけた少年とある事情を抱え、弟と暮らす少女。 そして、その少女には不思議な力が。。。
といったところですが、2019年興行第一位の話題作なので、こちらもオススメしておきます。
テレワークの地域差をどうとらえるか
さて、気を取り直して、話題を戻すと、テレワーク実施率についての、地域差も調査結果からわかります。
テレワークの実施率を地域別に比較すると緊急事態宣言地域の7都府県(東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡)で38.8%、それ以外の地域で13.8%となっています。 その差は2.8倍です。ちなみに、東京都に限れば49.1%になるわけですから、大きな違いですよね。
さて、この数字をどうとらえるかですが、コロナ対策という観点から言うと緊急事態宣言地域に含まれる大都市圏は3密の観点から、早急に対策を打つべきかもしれません。
一方で、多様な働き方を認めるという意味では、やはり、地域差はなくしていくべきなのだと思っています。
むしろ全国どこでも仕事ができて、高給取りが地方でも働けるようになれば、地方でも動くお金の量が増えて地域も活性化するのではないでしょうか。
さらに言うと、東京のように人が多く焦燥感あふれる環境は、人の心の豊かさを生まないと思うんですよね。
財政面だけでなく精神面でも豊かな国づくりを進めて、魅力的な国づくりへと進めていきたいなと思ったりしています。
まとめ
今回、「格差」という視点も含みつつ、テレワークの実施率を深読みして見たわけですが、杞憂すべきは、格差が広がることで暴力的な方向へ世の中が向かっていくことかなと思います。
歴史的にも、飢饉の後の打ちこわしや世界恐慌の後の第二次世界大戦など、食糧難、経済難をきっかけとして、過激な方向進んでいってしまったりしていますからね。
こういう時こそ、未来を担う子供たちに、現在の状況と学習を絡めつつ伝える教育がとても大事なのかなと思ったり。
在宅で子どもたちをはじめとした家族といる時間があったり、一人でいる時間があったり、身近な範囲で考えを巡らせることができるこんな状況だからこそ、先に紹介した映画鑑賞会をするでも何でもいいので、いろいろ考えられるといいのかなと思っています。
後編はまた週明けにでも公開できればと思います!では!